昔ながらの知恵と郷土の味を残したい
私たちが暮らす福島では、気候に即したさまざまな伝統料理が長く親しまれてきました。例えば、飯舘村のある阿武隈地域で食べられてきた「凍み大根」や「凍み餅」。食材を真冬の寒風にさらすことで旨味を凝縮。水分を飛ばして長期保存を可能にした食べ物です。しかし、時代の流れとともに利便性が失われ、家々で作られる機会は少なくなりました。郷土の味を絶やすことは文化を絶やすこと。私たちは代々受け継がれてきた味や経験を財産と捉え、各地で伝承活動に取り組んでいます。「楽しい」や「おいしい」を共有し、豊かなつながりを築くことが、生きる知恵と郷土への誇りが育まれています。