受け継ぐ暮らしの術、今生きる姿を未来へ

わたしたちが大切にしていること

「までい」の心を大切に

までいという言葉をご存知でしょうか。


福島の方言で「丁寧に」や「心を込めて」という意味です。私のふるさと福島県飯舘村では、何事においてもこの「までい」の精神が大切にされてきました。

 

東日本大震災と福島第一原発事故により、福島は大きな傷を負い、たくさんのものを奪われましたが、復興に向けた時間を過ごす中で得たものもあるのだと感じるようになりました。この中で生まれた多くの人とのつながりは、私の何よりの宝です。

 

これからも、今なお励まし応援してくれる方との縁を大切に手間を惜しまず、おいしいものを皆さんに届けていきたいと思います。

つくる

素材のおいしさをそのまま食卓へ

食材の良さをもっと引き出したい、多くの方に知ってほしい。そしておいしいと喜んでいただきたい。そんな思いで飯舘村特産の縁熟かぼちゃ「いいたて雪っ娘」の栽培や、加工品作りに取り組んでいます。

届ける

いただく笑顔が明日への糧に

手がけてきたものには、関わるひとりひとりの想いが込められています。だからこそ収穫して終わり、商品を作って終わりではなく、お客さまと直接言葉を交わすことが大切だと考えます。売り場に立ち、顔の見える距離で楽しくお話しながら想いを手渡ししています。これまで、全国各地でたくさんの方との出会いがありました。そこでいただく笑顔は、私たちが畑に帰り、再び情熱を燃やす大きな糧となっています。

伝える

昔ながらの知恵と郷土の味を残したい

私たちが暮らす福島では、気候に即したさまざまな伝統料理が長く親しまれてきました。例えば、飯舘村のある阿武隈地域で食べられてきた「凍み大根」や「凍み餅」。食材を真冬の寒風にさらすことで旨味を凝縮。水分を飛ばして長期保存を可能にした食べ物です。しかし、時代の流れとともに利便性が失われ、家々で作られる機会は少なくなりました。郷土の味を絶やすことは文化を絶やすこと。私たちは代々受け継がれてきた味や経験を財産と捉え、各地で伝承活動に取り組んでいます。「楽しい」や「おいしい」を共有し、豊かなつながりを築くことが、生きる知恵と郷土への誇りが育まれています。

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